先日某ドラマを見ていた時の内容です。
「お前は家業を継いで立派な◯◯◯になるんだ!」
そんなことを強制する親が出ていました。
自分で夢を決めさせてくれないことに加え、親が勝手に決めていく。
子ども自身はまだ決めきれていない、家業はやりたくないと思っているのに・・・
ドラマのオチとしてはハッピーエンドでしたが、
こういう親は意外にも多く、それを無意識に、そして良かれと思っている。
もしお子さんから「夢がない」という言葉を聞いたら、
どんなことを伝えていきますか?
夢が無いのは「悪」なのか
極端な言い方になりますが、
夢が無いことは「悪」になるのでしょうか。
それに対してほとんどの方が「NO]と言うでしょう。
ただ、それが「YES」のようであるかのように、
多くの保護者が夢を持つよう無意識に強制している現状があります。
夢がある方がスピードを感じるのは事実
確かに明確な夢や目標を持つ方がスピードを感じるのは事実です。
それは子どもだけでなく大人であっても同様です。
我が子となるとどうしても焦ってしまうのか、
夢を持った方が良いよ!
どうして夢がないの?大きくなったらなりたものはないの?
そんな質問責めをしてしまい、
知らぬ間に我が子を追い込んでしまう。
なぜこういった行動をとってしまうのでしょうか。
夢を持つ子と無意識に比較してしまう
一つの要因として、やはり夢を持つ子と無意識に比較してしまうからではないでしょうか。
夢にいっぱいである子ほど、キラキラと輝いて見える。
そして我が子は夢がなく、日々何に対してもやる気が起きない。
なぜ?どうして?
先ほど同様質問責めをすることに加えて、
これはどうだ、あれはどうだと夢の紹介が始まる。
ここで少し冷静に考えて欲しいのは、
それはその子にとって興味があることで、
本当にその子を思っての事なのだろうか。
親目線で色んな職業を紹介しても興味を持たれない
良かれと思って紹介しているのは理解しています。
しかし、ご自身の経験も踏まえて思い返して欲しいです。
例えば進路選択。
何をしたいかあまり明確ではない中、
親から先生はどうだ、医者はどうだ、公務員はどうだと様々紹介された時、
それらを全て受け入れきれただろうか。
「ありがとう」と都度感謝を言えるほど、有益な情報だっただろうか。
はたまた自分が叶えられなかった夢を、あわよくば我が子に押し付けてはいないだろうか。
ご自身の経験がどうだったかは定かではありませんが、
全てを受け入れきれた方は少ないのではないでしょうか。
親といえど最大の他人であり、
我が子のことを誰よりも知ってはいても、全てを知っているわけではない。
だからこそ、親の意見で夢が決まることはなく、
親の意見に従えと強制して将来を決めてしまうことがある。
そこに我が子の意思はあまり反映されないことはお分かりだろうか。
結局子どもの夢ではなく親の夢にしてしまう
もちろん親の意見に大いに賛同し、それが自分の夢だと分かり、
その瞬間から走り出せる子がいることも分かります。
そのため、今回の話が非常に偏っている可能性は大いにあります。
しかし、大きくなったら何をしたいか分からない、将来の夢が無い、
今でさえ何をすべきか迷っている段階の場合、
こうしろ、ああしろという意見ほどストレスになるものはありません。
こういった場合、ほとんどの子は自分の意見を言えない。
なぜなら、散々こうしろ、ああしろと多くを推薦した親の言葉には夢につながるものがなく、
なんとか本音を絞り出したところで、
「それはダメだ」と親に否定されてしまう可能性が大きいからです。
本人の意思を尊重するために「否定」から入らない
否定してしまう背景には、
我が子の考えていることは手に取るように分かると思っていたため、
その「正解」を見出せなかった自分のプライドが関わっていると考えます。
夢を持つことは大切だ、だから夢を持つべきだ、
こういうのはどうだ、こんな職業があるぞ、誰々さんに話を聞きに行かないか、
どこどこの子もこの人の話を聞いて興味を持ったそうだ、
そんな色んな話の中に、我が子が興味を持つ話は一切なかった。
だから、我が子が本音でやりたいことを伝えた時に、
言葉では「良いね、応援するよ」と言いつつも、
こういったことがあるらしい、厳しい世界だそうだ、
簡単にはなれないと聞いたことがある、
そんな曖昧な情報を元に否定が始まっていき、
より子どもが離れていってしまう。
本人の意思を尊重したいのであれば、否定から入らないことは大切だ。
親の話に興味を持たないからと投げやりになったりイライラしない
かといって何も言わないこともストレスが溜まってしまう。
「そうなりたいのか、そうか。」
それで何も言わずにいると逆にストレスが溜まってイライラしてしまい、
子どもが挑戦して壁にぶつかり、少し弱音を吐いてしまうと、
「それ見たことか」とこれ見よがしに言いたいことを言う方もいます。
こちらも先ほど同様、親の話に興味を持ってもらえなかった、
そのイライラを我慢した先でぶつけていることになります。
どこか投げやりになってしまうのでしょう。
では、どうすればこのような事態に陥らずに済むのか。
挑戦と失敗をさせてみる。その時の声かけが重要!
まずはさせてみることが大切です。
「こういうことをしてみたい」
夢を持てなかった子が、興味を持つものが必ずあります。
その瞬間に備えるのは子ども同様、親も備える必要があります。
「どうしたら出来るか分かる?」
そんな会話から始めてみましょう。
「分からない」と返ってくるのであれば、
「一緒に調べてみようか」という会話に繋げてみる。
大切なのは思い通りに会話は進まないことを知っておくことです。
「一緒に調べてみよう」に対して「それは嫌だ」という返答もあり得ます。
それはそれで良いです。
偏った意見だと伝えましたが、
親が出す様々な質問責めは、その瞬間はプラスにならなくても、
本人の頭には残っているもので、少なからずヒントになります。
「一緒に調べてみよう」という会話の中にも、
「それは嫌だ」と否定したものの、
「あれ?ダメじゃないんだ。協力してくれそうだ」
そんな印象を持たせることが出来ます。
そして次に来る会話は、
「少し調べてみたんだけど、これどうかな?」「やっぱり一緒に調べて欲しい」
「自分で見たけど分からなくて、手伝ってもらえないかな?」
これが子どもから出た時はチャンスです。
そこで、「前に言った時断ったじゃん」なんて返すとどうなるか予想できますね。
否定をせず協力する姿勢を見せる。
仮に挑戦して失敗して挫折しそうになっていた時にはこう伝えてください。
「挑戦」と「失敗」はセットだと。
挑戦したから失敗するし、失敗するから次どうすれば良くなるかを考えるし、
その分成功に近づいて成功につながる。
失敗を恐れて挑戦しない方は大人にも多く存在します。
それを後押しできる声かけを我が子に出来るよう備えておくと良いでしょう。
まとめ
まとめになりますが、私は親自身が夢いっぱいであることは必須だと思います。
子に夢を語る前に、親自身が夢いっぱいであることは大前提ではないでしょうか。
普段からやる気が感じられず、会社や同僚の愚痴ばかりで、
休日に何もせずダラダラ過ごす親から、
「夢」を語られたところでその言葉は響きそうにありません。
親だから言わなきゃいけないのではなく、親だからこそ見せるべきです。
大それたものである必要はありません。
会社で成果を上げる、ダイエットに成功する、資格に合格する、休日をアクティブに過ごす、
普段から笑顔を絶やさない、そんな日常にあるもので構いません。
そして、それらを褒められた時、あなたは嬉しくないですか?
子どもも同じです。
しっかりと見て、褒める瞬間を逃さないでください。
山本五十六さんの有名な言葉があります。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
手本となって見せて、話をして、挑戦させてみる。行動を褒めることで人は動いていく。
解釈は様々あるようですが、やってみせる側としてやれることは多くあると私は思います。
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