
さて今日から不等式に入ります。
実は不等式はこれまで数的推理や数学が得意な子でも、
難しく感じる分野なんだよ。
これを先に言うと、また気分が下がってしまうかもしれないけど。
ただ、それ以上にこれさえ知ってしまえば簡単に解ける方法もあるから、
ぜひみんなにも頑張ってほしい。
周りの人は難しいと言うかもしれないけど、皆んなは簡単に解いてしまおう!

なんか今回はやる気が出てくるスタートですね!笑

俺もやる気出てきたぞ!笑

その調子で問題を見てみよう!
不等式を難しく感じてしまう要因
問題 東京特別区過去問
ある数のキャンディーを子供たちに配ろうとしたところ、それぞれの子供に2個ずつ配ると33個残り、4個ずつ配ると10個以上残り、6個ずつ配ると10個以上足りなくなった。この時、子供の人数はどれか。
①7人
②8人
③9人
④10人
⑤11人

これは不等式の中でも王道の問題です。
不等式を難しく感じる要因は色々とあるんだけど、
一番は式をどう作って良いかわからないと言う声が多いです。
文字はいくつ必要なのか?
どれを基準にするのか?
そして式を作れない中でも多いのは、
符号の向きがわからないと言うものです。
これが要因となって、不等式を難しく感じる人が多いです。
問題を読んでも式が作れないし、符号の向きもわからない。
解説をする前に、一旦確認して欲しいことがあります。
符号の種類は大きく2種類に分かれる
不等式の符号
「〜以上、〜以下」と書いている場合:「≦、≧」の符号を使う。「=」が入ります。そして、以上、以下の場合は、その数字も含まれます。
⇨5以上、13以下:5、13を含みます。
「〜より大きい、〜より小さい」と書いている場合:「<、>」の符号を使う。「=」は入りません。そして、その数字は含まれません。
⇨5より大きい、13より小さい:5、13は含まない。

こちらが基本中の基本になります。
以前にも別の授業で話したかもしれませんが、
不等式では当然のように出てきますので、
しっかりと覚えておくようにしてください。

これはバッチリですよ!
次に進みましょう!!!
不等式の問題でほぼ出る基準の式

実際に式を作っていきましょう。
まず最初に知っていて欲しいのが、
不等式の問題文には必ずと言って良いほど、
基準になる式があります。
それは、「以上、以下、〜より大きい、〜より小さい」という言葉が、
出てこない内容が必ずと言って良いほど出てきます。
重要なので2回言いましたが、問題を見てみましょう。
問題 東京特別区過去問
ある数のキャンディーを子供たちに配ろうとしたところ、それぞれの子供に2個ずつ配ると33個残り、4個ずつ配ると10個以上残り、6個ずつ配ると10個以上足りなくなった。この時、子供の人数はどれか。
①7人
②8人
③9人
④10人
⑤11人
問題文を色で分けているのですが、中でも黄色の部分に注目してください。
この部分だけ「以上、以下」といった言葉が使われていませんよね?
これが基準となる部分であり、基準となる式が作れる文章になります。
子供の数を「X人」にして式を作ってみましょう。

先生。
基準になる部分はわかったんですけど、
式を作るのも出来そうで進まないです。
2個ずつ配ると33個残るって話を、
Xも使ってどうやって式にしたら良いですか?

いきなり文字を使った式が作れない時は、
数字で考えてみると良いですよ!
例えば、「10人」いるとしましょう。
「10人に2個ずつ配ったら、33個残った。キャンディーは全部でいくつですか?」
こう聞かれた場合、
「10✖️2+33」という考え方をしませんかね。
10人に2個ずつ配るから掛け算をすると20個配ることになる。
それでも33個残っているということは、配る20個に残っている33個を足す。
さっきの式はそういう意味だね。
全部で53個になるね。
じゃあ12人だったらどう考えるかな?

12人に2個ずつ配るのは掛け算。
それでも33個残るから、33個を足す。
ということは・・・
「12✖️2+33」
全部で57個。

そうです!
これをX人だとどうなるかを考えます。
文字になると難しくなるのは、違うことをしよううとするからです。
文字になっても同じことをします。
注目するのは式の形です。
10人、12人といった数字が見えている時は同じ形の式になったのに、
文字になった瞬間から違う式になんてなりません。
比べてみましょう。
数字でも文字でも同じ形の式を考える
10人に2個ずつ配ると33個残る
「10✖️2+33」
12人に2個ずつ配ると33個残る
「12✖️2+33」
X人に2個ずつ配ると33個残る
「X✖️2+33」
こうなるわけですね。文字になったからと違うことをしようとしない。
さっきまで見えていた数字が文字に変わっただけ。
式の形は変わらない。これを頭に入れておきましょう!
板書をまとめますね。
子供の数:X人
キャンディーの数:X✖️2+33
2X+33個

ここまで大丈夫ですか?

よく分かりました!
文字になってもやることは同じですね!
いよいよ符号が出てきそうですね・・・
不等式を作るポイントはどちらが大きい(多い)かを知る

基準になる式は大丈夫どうなので、
いよいよ不等式を作っていきます。
最初に注目するのは、どちらが多いかです。

どちらが多いか?
そんなのすぐ出来そうですよ先生!!!

では・・・
4個ずつ配ると10個以上残りと書いていますが、今いるX人の子供に4個ずつ配るとなると、全部で何個配りますか?

そんなの簡単だよ!
もし10人に4個配るなら、
「10✖️4」って掛け算する。
だから、X人の時も同じ掛け算をするから、
「X✖️4」で4X個を配るんだ!

さっきの話が応用出来ていますね!
では、今持っているキャンディー「2X+33個」と、
4個ずつ配る「4X個」では、どちらが多いでしょうか。

なんだそれ〜!!
そんなのわかんないじゃん!!笑

いや、わかるんじゃない?
4個ずつ皆んなに配ったのに、まだ10個以上残っているって書いてある。
これって、今持っているキャンディーが多かったから、配った後にもまだ残ったんじゃない?

確かに!残っているって部分に注目するんだな!

2人とも素晴らしいです!
その通りですね!
これさえ分かれば式が作れるようになっています!
どちらが大きいか分かれば、符号を「左が大きい式」にする

不等式を解く最大の鍵は、
どちらが大きいかを判断できるかどうか。
そして、それが分かれば式はこれを使います。
大きい方ー小さい方>⬜︎
(大きい方ー小さい方≧⬜︎)
ポイントは符号の向きが常に「左が大きい」になっている点です。
先ほども伝えたように、
不等式を解く際に引っかかるのはここ!
符号の向きをどうすれば良いのか・・・。
その疑問は、これに従えば必ず「左が大きい」になるので、
ここで悩むことはありません。
また、右側の⬜︎にはその時の数字が入るので、
その辺は解説しながら確認しましょう。
では解説していきます。
まずは振り返ります。
子供:X人
キャンディー:2X+33個
4個ずつ配る:4X個(10個以上残る→この10が右の⬜︎に入ります)
今持っているキャンディーが大きいので、
(2X+33)ー4X≧10 では、解いていきましょう!
2X+33ー4X≧10
−2X≧ー23
X≦11.5 (Xにマイナスが付いていたので、符号の向きは逆になります)

これを使って、6個ずつの部分も解けますか?

出来そうだぞ!
6個ずつ配ると足りなくなったか・・・。
まず6個ずつをX人に配るには、6X個必要。
今持っているキャンディーは2X+33個。
配りたいけど足りなくなるってことは・・・
6X個の方が大きい!!!!

すごい!!
私もそうなった!
これで式を作れるよね。
子供:X人
キャンディー:2X+33個
6個ずつ配る:6X個(10個以上足りない→10が右側の⬜︎に入る)
大きいのは6X、右側は10、符号は左が大きいから、
6Xー(2X+33)≧10
6Xー2Xー33≧10
4X≧43
X≧10.75
これで良いですか?
答えを探す作業で不正解にならないように気を付ける

2人とも良いですね!
最後に正解を出すまでは気を抜かないようにね。
今一度出てきたものを考えてみよう。
X≦11.5・・・①
X≧10.75・・・②
ここから答えまで辿り着く方法は、符号の向きを合わせることです。
②の符号を逆にしてみましょう。
注意すべきは、符号の向きだけでなく、全部反対にします。
10.75≦X
こうすることで、①と同じ向きになるとこのように並べられます。
10.75≦X≦11.5
これでOKです!
ここで大切なのは、何の答えを聞かれていたか確認することです。
聞かれているのは子供の人数。
人数を表すときは通常「整数」にならなければいけません。
そのため、10.75≦X≦11.5の範囲で整数になる部分を探すと、「11」しかありません。
よって、子供の人数は11人の⑤が正解です。
まとめ

少し大変かもしれませんが、
しっかりと抑えることで解くことができます。
詳しく解説をしてきましたが、ポイントはこちらです。
まとめ
・基準となる式が作れる
・どちらが大きいかを調べる
・大きさが分かれば式は「大きい方ー小さい方」、符号の向きは左が大きい
・答えを選ぶ際は符号の向きを合わせる
以上です。
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